［三人の密偵］

1928年（昭和3年）6月。諸勢力の欲望渦巻く満州の地にて、満州の実質的な支配者張作霖が何者かによって爆殺される。この陰謀の中心となった奉天の街に三人の密偵が集う。三人の所属は、日本陸軍参謀本部、日本の派遣軍である関東軍司令部、そして中国国民党。三人はそれぞれの立場と信念から、張作霖爆殺事件の陰謀に近付いていく。三者の絡み合う思惑から歴史のとある転換点に迫る、三つの二人芝居。

『導火線』　王英三／西尾友樹　池内武一／岡本篤
中国国民党の諜報員である王英三と、日本陸軍参謀本部情報部シナ担当の池内武一。それぞれの立場から関東軍の思惑に危険な兆候を感じ、密かに阿片窟に集う。そこで二人は日中関係を徹底的に悪化させる導火線を目の当たりにする…

『IGNITION』　森高逸二／浅井伸治　王英三／西尾友樹
日本陸軍関東軍司令部の密偵である森高逸二が、中国国民党諜報員の王英三に驚くべき情報をもたらす。それは満州王張作霖に対する関東軍による爆殺計画だった。同時刻、世界史に残る大きな陰謀の火が点火される…

『誘爆』　池内武一／岡本篤　森高逸二／浅井伸治
日本陸軍参謀本部情報部シナ担当の池内武一は、関東軍の密偵森高逸二を密かに呼び出す。張作霖爆殺事件は「満州某重大事件」として取りざたされ、大日本帝国は満州へ新たな陰謀をめぐらし、二人はその陰謀の誘爆に巻き込まれていく…

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